光暈(ハロ)

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光暈(ハロ)

街の喧騒と夜のネオンが好きだった私が3年前の夏、ひょんなことから兵庫の山奥に移住した。
最寄り駅まで車で40分。人生の中で一度も考えたことのない選択肢。
冬は豪雪、夏は元気すぎる緑と虫に翻弄される生活の中で、心の支えになっていたのが「写真を撮ること」「記録を残すこと」だった。

山での暮らしに慣れてきたころ、あたらしいカメラが必要だと思った。
今の自分や暮らしにフィットしたあたらしい相棒が。
そう直感して次の週にはもう手にしていたカメラが、このOLYMPUS 『Tough TG-7』だった。
決してアウトドアではない私が、それでもこの暮らしの中で最適だと思ったカメラ。

濡れても、落としても、土まみれでも平気なこのカメラは、この町での暮らしにぴったりだった。
いつでもポケットに入れておいて、「今だ」と感じた瞬間にシャッターを切る。
それは、雪の朝、酔いすぎた夜、窓から差す何気ない光——

そんな風景を、私だけの思い出に変える手助けをしてくれる、心強い味方。
雪の中でも、雨の日でも、登山でも、海でも、キャンプでも。
パーティーでも、旅でも、暗い部屋の中でも。
ゆがんでもいい、ブレてもいい。それこそが味になる。
それはこの山の自然にも似た、寛大な姿。

このシリーズに写っているものは、どれも撮ろうと思って撮ったものではなく、不意に目の前に現れて、あっという間に忘れていってしまうはずだったもの。
それでも忘れたくないと思って大慌てでポケットに手を突っ込んだもの。
TG-7がそこにあったからこそ撮ることができた景色がたくさんある。

自分がいつか「今」を思い出すためだけに撮っているこの写真が、もしかしたら誰かがいつか見た、忘れてしまっていた光景を呼び起こすかもしれないと思った。
私だけのものだった思い出が、誰かだけの思い出と重なることがあるのなら、それだけで私はこの世界で暮らしてゆける気がする。