■statement
キャラクターというものが総じて好きです。
異形としてのもの悲しさと、やさしさの概念をあの体に携えている。
西京区は京都市きってのベッドタウン。
食べたり寝たり、ほっと一息ついたり……そんな暮らしの空間に、オブジェクトとして西京区の公式ゆるキャラである「たけにょん」を配置しました。
この風景、自立した大人の目には 奇妙な風景に写るかもしれませんが、こどものいる家庭、こどもたちの生活の中では日常の風景であるようにも思います。
タイトルにもなっている「object」という言葉には、「物体、対象、目的、目標、おかしなもの、目的語、客観、客体。五感、とりわけ見たり触れたりといった感覚によって知覚できるもの」という意味があります。
その言葉の意味するものは、私たちの暮らしにおけるゆるキャラ、ひいてはキャラクターというものそのものの存在ともどこか似ているように思います。
初めは異物として、私たちではない何かとして存在し始めたキャラクターがだんだんと日常の中に根付き、気づけばあって当然なものになっている。
それはどこか、共存という言葉のもっとも自然な形であるようにも思えます。
様々な思想や暮らしかたの多様性が認められつつある現代で、誰しもが「ふつうに」生活することができる。
そんな理想がこの街にあるといいなと思います。